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神奈川近代文学館「作家と万年筆展」へ。

201202262sakkaten.jpg充実した展示だった。なんとか乳児連れで参じた「作家と万年筆展」。この企画原案が足澤公彦さんと聞き、また作家の出久根先生が講演をされると聞きほんの少しでも見に行きたかったのだ。
神奈川近代文学館は港の見える丘公園の中にある。港の見える丘公園駐車場に車を停め、坂を下ると「近代文学館入り口」の交差点。小道を進むとレンガ造りの橋が見えてくる。「霧笛橋」といって、大佛次郎記念館と神奈川近代文学館の間に架かっている。木々の緑も多くいきなりの異空間!どこに来たか忘れてしまいそうになる。階段を上がると視界が開け横浜港を眼下に望め、「そうそう、横浜と言えばこの景色!」吹き抜ける風が気持ちいい。写真はエントランス側から見た館。円形の建物は花崗岩造りで豪華。右手はカフェ芸亭(うんてい)。


20120226sakka.jpg常設展示の「神奈川と作家たち」も見ごたえがあった。佐藤春夫の「田園の憂鬱」が書かれた場所などは今の私の住まいのすぐ近くらしい。一度読んでみたいような。読みたくないような。(何でって…つまらなそう。田園ときて、憂鬱、ですよ。。)
お目当ての展示会場はかなり混雑していた。熱心な閲覧者が多くなんとメモを取っているひとの多いこと!作家の手書き原稿のタイトルや、愛用の万年筆の種類やスペック。自分の感想を書き取っている様子だ。特にメモが目立ったのは作家が愛用の万年筆について著作物で言及している部分の抜粋。後で読んでみようと私もメモ。

宮本輝「生きものたちの部屋」 -インクと万年筆
村上春樹「象工場のハッピーエンド」 -万年筆

使われている万年筆で印象的だったのは、必ずしも太字ばかり好まれていたわけではなない、という点。小回りの利きそうな細軸に細字も多かった。シェーファー好きの私としては、中里恒子氏のスノーケルや、吉屋伸子氏のレディシェーファーに目が留まった。
出久根達郎氏ののびやかな文字は圧巻で、毛筆で書かれた原稿には只者ではない異様な雰囲気が漂っていた。井上ひさし氏の「吉里吉里人」の構想ノートはちいさな文字で埋め尽くされ、読みやすくも気迫を感じた。
といってもほとんどの作家の原稿は読みにくい。とても読めない。書くのも大変難儀だろうし編集者の苦労もいかばかりか……。「今は手書きで書いている作家はほとんどいない」と出久根氏もおっしゃっていたしその通りなのだろう。
「手書き時代は自分の文章が活字になると感動が湧き起こった。今は逆転現象が生じていて肉筆原稿こそが価値が高くなっている」、とも。
原稿を目の前にしていると生身の人間に近づいたような、作家の息遣いを感じるような、そんな気がした。
もっとこの世界を味わいたい、と思ったところで時間切れ。息子のおおきな声が聞こえてきた。2時間もよく我慢してくれました。お利口、お利口。
この展示会は26日(日)まで。もう一度ゆっくり行きたい……。

201202262sakka.jpg 足澤さんのツイッターアカウント http://twitter.com/kugel_149
霧笛橋からの夜景 http://www.8toch.net/yakei/?spot=mutekibashi

2 Comments

  1. avatar

    足澤公彦

    2012年2月25日 at 1:37 AM

    みーにゃさん
    赤ちゃん、連れてきていたんだ。見たかったなぁ。抱っこさせてほしかったなぁ。混み合っていたのでゆっくりご覧いただけなかったようで、すみません。
    話変わりますが、みーにゃさん、ダイエット、成功してますねぇ!

  2. avatar

    みーにゃ

    2012年2月26日 at 2:06 AM

    そうなんです!赤ちゃん連れでした☆見せたかったですが、足澤さんお仕事中でしたね!
    > 話変わりますが、みーにゃさん、ダイエット、成功してますねぇ!
    ええ~そうですかぁ!?美味しいもの好き、お酒も好きなのでもともと太りやすく、体重増減が激しいタイプなのです。今は赤ちゃんがいるから自然と母乳ダイエットになったのかも知れません。でももうちょっと痩せたいなぁ☆

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